これまで社会活動はビデオ映像に記録をしてきました。蚕都上田プロジェクトを始めたのは2008年のこと。当時の記録媒体はもっぱらminiDV(小型ビデオカセット)です。それから15年が経過し、当時は現役で活動された方もご高齢になったりお亡くなりになったり、社会の状況・様子も変遷し続けてきています。miniDVは個人的には1997年以来使い続け、記録テープは1000本を超えます(数えたことはありませんが)。
テープ媒体の問題は再生しないことには記録映像にアクセスできないこと。さらにはこれらの媒体がいつまで再生可能かの保証はなく、テープ媒体の経年劣化の問題、再生機器の保全の限界の問題と重なり、ある時期に全てをデジタル化しデジタル保存しておかないと取り返しがつかないことになります。
この年末年始、デスクワークの片隅でパソコン1台とminiDVカムコーダーを稼働させ、せっせとパソコンに取り込みを続けてきました。途方もない数ながら数日で50本をダビングしました。
現在、藤本蚕業歴史館で明治・大正・昭和期の紙媒体の一次資料のデジタル化に取り組んでいます。紙媒体も劣化するとは言え100年経過しても特段の損傷はなく、現在までタイムカプセルから取り出したように見事にデジタル化処理が行えているのは、まさにそれが紙媒体であるからに他なりません。信州上田のように湿度の低い地域に遺された紙媒体は高温多湿の日本の他地域に比べると劣化がしにくく、ネズミなどに食われることがなかったことも幸いしています。
miniDVもまた貴重な一次資料となります。100年前の媒体は現在でもアクセス可能ですが、たかだか10年前後のこれらの記録媒体のデータの保全もまた真剣に対処しなければならない課題です。紙媒体と異なり、媒体の寿命に限界があるminiDVのデジタルデータ化対策は喫緊の課題です。デスクワークの片隅でせっせとダビング処理するのが、今取りうるベスト対策のようです。
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