★国立能楽堂
2022/05/20、国立能楽堂に狂言『右流左止(うるさし)』と能『須磨源氏』(観世流)を観に行きました。国立能楽堂は、コロナ禍以前に訪れたきりなので本当に久しぶりです。コロナ禍のせいか、比較的来場者数が少なく、おかげで正面のよい座席で鑑賞することができました。
改めて狂言のよさを感じました。言葉が明瞭で、かつ明朗な発声で自分の素性を名乗り、語り合うのが小気味よい。いつも思うことながら室町時代の言葉が現代においても音声のみではっきりと聞き取れるのが不思議です。
能『須磨源氏』は、『源氏物語』の光源氏を話題とした物語。藤原興範(ふじわらのおきのり)と名乗る人物(シテ)と木こりの老人が目の前にある若い木は光源氏にゆかりがあることを語ると、光源氏の霊が現れ舞を舞って消えるという幻想的な物語。木こりは解説には前シテとなっていますが、ワキと捉える方がしっくりします。
久しぶりに能楽に接し、能楽の魅力を改めて感じました。静謐な中に、鼓と横笛の甲高い音がつんざくように響く音のインパクト、同時一斉に声明のように始まる地謡のハモリ感、メリハリ感のある所作。歌舞伎、文楽、オペラもよいけれども、どうも私には能が一番波長に合っていると感じます。日本文化の中に継承されている質の高い文化を感じられることの幸せを感じます。
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