この伝説は諸説あるが、その中の一説を紹介する。
会津の子供に恵まれなかった夫婦が子どもを授かった。幼名を呉葉(くれは)といった。京にのぼり源経基(みなもとのつねもと)公に仕えたが、美貌と 才気が公の心をとらえ寵愛を受けるようになり懐妊した。紅葉は公の愛を独占するに御台が邪魔になると、魔性を現わし、御台を殺そうとした。そのことが発覚して、信州に流され、戸隠山麓の荒倉山に棲むようになった。信州では京を恋う毎日だったが、或る朝、顔を洗おうとしてふと水面を見ると角が生えた鬼の形相に映った。そこで紅葉は、心を鬼にし、武力を貯え都に力づくで押しのぼろうと決意、盗賊の頭となり、悪事を働いた。あたりの人々を悩ませる鬼女紅葉のことは京にも伝えられ天朝に達し平惟茂(たいらのこれもち)が勅命を受けて紅葉退治に信州へ赴いた。その戦い、惟茂公は大変な苦戦だった。そこで別所観音に参籠、その加護によって紅葉退治をすることができたという。
(『北向山霊験記・戸隠山鬼女紅葉退治之伝』より)
別所という名前はここに登場する平維茂がこの地に「別業」と呼ばれる、現在で言う別荘に相当するものを建て「別所」と呼んだことに由来する。
他にも内容を変えて様々に伝わってきている。気になる人は是非調べてみて欲しい。
地区コード | 上田地域(上田市) |
---|
管理番号 | 12 |
---|
カテゴリ名 | 地域の記録 |
---|