3.蚕(カイコ)という虫について
今回のテーマである蚕糸産業では蚕という虫が欠かせない存在です。そんな蚕について解説していきます。
長野県民の方なら授業で習う機会もあるらしいのですが、県外出身の私は授業などで習ったことはなく、名前だけしか知りませんでした。
蚕(カイコ)という名前は知ってるけど、どういった虫かはあまり知りませんよね。
カイコは別名カイコガ(学名:Bombyx mori)
チョウ目カイコガ科に属する昆虫です。
蚕は自然界に存在しない虫で、遥か昔に家畜化された虫なので人間が世話をしないと生きていけない虫なのです。
何故、世話をしなければ生きていけないのか
・幼虫の頃は脚が弱く、葉にくっつけないから。
・成虫になり、羽があるのに一切飛べないから。
蚕の起源
5000年前の中国で東アジアに生息するクワコという蛾の一種を糸として利用したかった中国人が、より糸を吐く個体同士を交配し、誕生したのが起源とされています。
卵から孵化した蚕は桑(くわ)の葉を食べ、約1か月後に口から糸を吐き、繭(まゆ)を作ります。
繭の中で蛹(さなぎ)になった蚕は2週間程で繭を破り成虫になります。
しかし、成虫になってからは何も食べずに異性と交尾をし2週間ほどで死にます。
蚕のような蛾は口がないことが多く、成虫になってから飲まず食わずで役目を果たします。
蚕は成虫になると繭を破ってしまうので蛹の状態で繭ごと煮沸し、蛹を殺して綺麗に繭を取り出します。
1匹が繭を作るために吐く糸の長さは1000mから1500mあり、長い1本の糸で形成されています。
現在、日本で使われている絹糸のほとんどは海外から輸入されたものです。
蚕という虫について紹介しましたが皆さんはどのくらい蚕について知っていましたか?
次の記事では何故、日本の蚕糸業が衰退し、風前の灯火となっているのかを解説、考察していきます。
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投稿者 | じゅ |
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