『埋もれた歴史』自費出版の労作
今から3年ぐらい前になるのかな?
ふだんは翻訳のお仕事をされている東郷えりかさんが歴史の探求で上田市に来られてその時にお話をお聞きし、上田市教育委員会にご案内しました。その探求成果を『埋もれた歴史』という書籍にまとめられました。それが2年前の2020年です。
書籍の表紙の写真にご注目ください。馬に乗る人物が最後の上田藩主松平忠礼です。その傍に佇む方が東郷さんの高祖父の方になります。この方は「門倉伝次郎[LINK]」です。『上田市史・下巻[LINK]』(1940年、1238~1239頁)に記されています。
幕末、上田藩上屋敷は隅田川に面した浅草瓦町、幕府の御蔵のすぐ隣にありました(「江戸の上田藩中屋敷跡を対岸から望む[LINK]」参照)。明治初期の屋敷の写真があると教えてくださったのが東郷さんです。目から鱗でした。
ご先祖の歴史とその背景をとことん探求し、上梓されるというのは並大抵のことではありません。その探求に5年半もかかったと言います。恐れ入りました。このようにして上田の知られざる歴史の一端が、ある個人によってキュレートされ、歴史の解明ががされていくことは素晴らしい。またそのことに感謝したい気持ちです。
その東郷さんがご自身のブログに探求・出版の経緯について触れられています。
★埋もれた歴史:幕末横浜で西洋馬術を学んだ上田藩士を追って[LINK]
「国内外の多数の文献や古写真に当たり、足で歩いて現場を確かめた結果、歴史の定説がいかに間違っていたかがわかり、増えつづける疑問が原動力となった。」
なるほど、です。
「祖先探しをしたい一般の読者には、研究機関に所属しない一般人であっても、現在はインターネットや図書館などを通じて多くの史料が公開されていて、素人でも博物館や資料館の所蔵品の閲覧は可能であることを示し、どうやって調査を進めたかを伝えたい。」
これもなるほど、です。
まさに知識循環型社会の実践にふさわしく、ネットで調べられる、しかも一次資料から歴史を掘り起こせる、さらにその成果を自ら版下作成してパブリッシュし、ネットにも話題提供できる。その話題が他の方にとっての新たな情報源(知識のトリガー)となる。こういう主体的な探求、情報の共有がこれからの時代の生涯学習活動になっていくといい。このサイト『みんなでつくる信州上田デジタルマップ[LINK]』をご関心のある方にお役立ていただけると何よりです。
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投稿者 | ミッチー |
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